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322 / JUNE

2008年6月号

クラリネットR.ストルツマン:歌うように吹く私のスタイルの原点/人気作曲家エリック・イウェイゼンに聞く/BESSONユーフォニアム元年:三浦徹× 木村寛仁/龍笛とその魅力(前編)/フルートP.ピエルロ:ランパル父子から学んだ「耳の中」の音…/横川晴児:Ricoリードと奏法の目から鱗が落ちる話/あのトゥーネマンが共同開発したファゴット/エリック宮城:ファーガソンに捧げるアルバム/橋本杏奈cl/他

2008年5月20日発売 ¥743(税抜き)

特集

クラリネット
リチャード・ストルツマン
歌うように吹く私のスタイルの原点はこの時に……

「世界で最も著名なクラリネット奏者」ストルツマンが、クロスオーバー系では8年ぶりのアルバム『ゴールドベルク・ヴァリエーションズ〜プレイズ・バッハ』を5月にリリース。ベースのエディ・ゴメスや子息でピアノのピーター・ジョンらと共演し底抜けに楽しいバッハを聞かせる。「8〜9歳頃からジャズとかかわった」という氏のクラリネットの原点には、このアルバムでも聴けるような楽譜以前の音の世界があった。

管楽器界でいま最も演奏されている同時代作曲家
エリック・イウェイゼン

名手たちとの交流から生まれたアメリカの人気作曲家エリック・イウェイゼン氏が、ホルンアンサンブル「つの笛集団」の招きで4月に来日し、同アンサンブル委嘱曲の世界初演に立ち会った。氏の来日はこれが初めて。「金管楽器のための私の作品が最初に広く知られるようになったのは、ニューヨークのアメリカン・ブラスクインテットの存在が大きかった。彼らが積極的に私の作品、とくに《コルチェスター・ファンタジー》を世界中で演奏し、広めてくれました」

日本の伝統を作った人、継承する人が語り合う…
BESSONユーフォニアム元年
対談:三浦 徹×木村寛仁

昨年春、30年務めた東京佼成ウインドオーケストラを勇退した日本ユーフォニアム界のパイオニアの一人、三浦徹さんが楽器を始めた当時、ユーフォニアムはまだバリトンや小バスと呼ばれ、氏が高校生の時に購入した楽器が、現在のようなイギリスタイプのユーフォニアムの第1号だったそうだ。その後、氏がベッソンとともに試行錯誤して来た足跡は、正に日本のユーフォニアム史そのもの。お弟子さんで大阪音大准教授木村寛仁さんと一緒にユーフォニアムとの格闘の歴史をうかがった。

フランス国立管弦楽団首席フルート奏者
フィリップ・ピエルロ
ランパル父子から学んだ「耳の中」の音

「「楽器の進化=音量の増大では目的が違う!音量よりもソノリテにこそ…」フランス国立管弦楽団首席として30年のキャリアを持つフランス・フルート界の大ベテランに聞く。「フルートに対する哲学は二人とも全く同じです。つまり、フルートを吹くことが喜びであり、「祝祭」のようなものだということ。マルセイユの燦々と降り注ぐ陽光の下で、彼らはこうした喜びを共有しながらフルートを吹いていました」

和楽器インタビューシリーズNo.3
龍笛とその魅力
貴族、武将たちがたしなんだ風雅の横笛(前編)
インタビュー:笹本 武志

篳篥、笙と「雅楽三管」を構成し、6、7世紀頃に大陸から伝来したと推測されている。「義経記」の源義経、「平家物語・一の谷の合戦」で知られる平敦盛、「今昔物語」の源博雅などの貴族・武将たちがたしなんだ風雅の「横笛」。

リードセミナー(前編)
Ricoリードと奏法の目から鱗が落ちる話
横川晴児(NHK交響楽団首席クラリネット奏者)

リコの新リード「グランドコンサートセレクト・シックブランク・アンファイルド」は、リコの公式テスター横川晴児氏が 10年もの期間をかけて改良し完成させたリード。その製作にあたって氏は、理想のリードを奏法やマウスピース、楽器と関連づけて徹底的に突き詰め、「日本人にとっての自然な奏法で、誰もが無理なく吹けるリード」の完成を目指したという。これまでただ自分に合う、合わないだけでリードを選んで来た人は、今一度立ち止まって「リードから奏法を学ぶ」視点を持ってみてはいかがだろうか?

トリビュート・トゥ・メイナード・ファーガソン
エリック・ミヤシロ追悼盤を語る

メイナード・ファーガソンの演奏に出会ってジャズの道に進んだエリック4枚目のリードアルバムは彼へのトリビュート盤。ファーガソンのプロフィールと似たキャリアを積み重ねるエリックが「先達」に対してどのように考え、どのような音楽を作り上げたのだろうか。

あのトゥーネマンが共同開発したファゴット
名手トゥーネマン、メーニッヒ・ファゴットを語る

ダブルリードの若い名工ルードヴィッヒ・フランク氏の技術革新と斬新なアイデアで次々と注目の新モデルを発表している名門メーニッヒから遂に強力なファゴットがお目見えした。しかも共同開発者は誰もが知るあのクラウス・トゥーネマン氏。

トレヴァー・ワイのフルート・マスタークラスを覗く
和声感覚や音への反射神経を磨くためのウォーミングアップ

開始と同時に、ステージに集められた5名の受講生たち相手に、最も基本的な課題であるウォーミングアップと日課練習のレッスンが始められた。これはワイ氏のレッスンの特徴的かつ重要なメニューの一つで、受講生たちはごく簡単なメロディーやスケール、アルペジオを一斉にユニゾンで演奏し始める……

連載第14回:伝説的コルネットプレイヤーの自叙伝
ハーバートL.クラーク自伝
あるコルネット奏者の遍歴

往時最高のコルネット・プレイヤーとして一世を風靡した伝説的名手。吹奏楽の指揮者、編曲者、作曲家としても知られ、彼が遺した4冊のコルネット教本は今もなお必須の「定本」として全世界で使われている。

トピックス

イギリスから世界デビュー!10代の日本人クラリネットに期待
橋本杏奈

連載・コラム

岡島征輝の「アラブでTUBA」/18歳のテューバ学生
ナイディック&大島クラリネット講座/速い指の練習
佐藤淳一のサクソフォン現代奏法/微分音
吉野和孝の金管Vintageの知恵袋/ヨーク
ロジャー・ボボの考えるテューバ/気難し屋の告白 
平野公崇の多事奏音/ポジティブ
DAIROの「白バリ」道中記/1対1のコンサート
吉井瑞穂のヨーロッパ通信/マドリッドでフィデリオ公演
中川英二郎のトロンボーンアルバム/本番前の過ごし方
スクランブル/サックス原博巳リサイタル 

PRODUCTS

メーニッヒ・オーボエダモーレ
フルート頭部管「MANCKE」

CD評

木幡一誠の今月のCD

その他

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