Pipers Magazine presents again !!
音楽の遠い「源」へ還るタイムマシーン

〜ゲンダイ管楽器によるJ.S.BACH〜
音楽監督・編曲・指揮:中川良平
演奏:R.Nak & his Tokyo BACH-BAND 1997&1999

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TBB-001
Merry Xmas to Onkel Sebastian!
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J.S.BACH with his Italian & French Friends

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R.Nak & his"Tokyo BACH-BAND" sings Lullaby of Bach-Land
●モーツアルト、R・シュトラウスに続く21世紀の「13管セレナーデ」●3枚のCDにコンチェルト4曲を含む20曲を収録。本格的楽譜に恵まれない(ゲンダイ)管楽器のための堂々たる新レパートリーが出現●最小4人、最大でも14人(コントラバスを含むフルバンド)の少数選抜編成●一人一人がソリスト●パイプオルガンを超えたバッハバン ド・サウンド●「スイソーガクのオーケストラ疑似体験」に甘んじない「正統の管楽器新レパートリー」

“ゲンダイ管楽器のためのJ.S.BACH”
 産業革命のあと、19世紀末に到ってやっと定着した私たちの現代管楽器は、もちろんJ.S.BACHの時代には存在しませんでした。17世紀には完成していた弦楽器群、その中でのチェンバロの流れを引いて19世紀にはドイツ・ロマン派という一大帝国を築き上げたグランドピアノの世界と比較するとき、私たちが自分たちそれぞれの楽器のレパートリーの中にだけ閉じこもってしまうことは、非常に危険なことです。なぜなら、テクニックの本来の目的である「音楽そのもの」を把握するという観点からは大変に貧しい結果 を招いてしまうあるからです。私がBACH-BANDのスコアの中で使用する 最も古い歴史を持つクラリネットでさえ、オーケストラがハイドン特集シリーズを始 めると、あの曲も「無し」、この曲も「休み」ということになり、暫く有給休暇が続いてしまうのですから。
 私たち「管民族」は確かに遅れてやって来た種族です。この事実は観方によっては、やっと辿りついたその土地には既に弦王国やグランドピアノ帝国が高くて厚い権威あ る壁を持つ「大クラシック城」を建てて先住していたということにもなるし、あとからやって来た私たちは壁の外の野原や河原に住みついているのが現状であるということが出来ます。もちろん、少数の運の良い連中は、お城の中へ入れてもらっていますが、中には「ハラッパ用(軍楽)」の楽器とか「チマタ(ダンスホール)」にのみ所属 する種族であると誤解されたり、また自分たち自身ででもそうだと思いこんでいる楽 器族もあるようです。
 約400年に亘るクラシック音楽のレパートリーの全体像と自分が今立っている位 置を確認するために、特に西洋音楽の最初の黄金期としてその基礎を築き上げたバロッ ク期(Ca.1600~1750)の音楽に自分たち自身の手で直接に触れてみることは出来ないものか? あの「お城」の天守閣に祭り上げられているマエストロたちに私たちの住む河原でのパーティや野原でのピクニックへ降りて来てもらえないものだろうか?  KEY(調性)も私たちのB♭やE♭を使わせてもらおう。ちょうどバッハ伯父さんが やっておられたように、本当での意味での「音楽的原調」を大切にして、それぞれの楽器の音域による緊張感や美しさを正しく移せるために、西洋近代科学による「周波数のみによるゲンチョウ固定観念」からは離れて………。
 こんな「お城の外」でのパーティやピクニックが、来たるべき21世紀には数多く開かれること、ご招待したマエストロたちが最後まで楽しんでいって下さることを祈りつつ、この"ゲンダイ管楽器のためのJ.S.BACHセッション"は誕生しました。これら編曲 のスコアは全て私個人の音楽的解釈によって書かれたものです。ですから、これらのCDや楽譜を「オベンキョウ」のために使用される方々には、必ず「原譜」を手許に常備されることを強くお奨めする次第です。

2000年夏:ZUSHI-JAPAN
中川良平

 中川良平:京都生まれ。太平洋戦争直後の市立上京中学校ブラスバンド、堀川高校 音楽コースを経て東京芸大卒。1963年米国エール大学大学院を修了、マスターオブ・ ミュージックの学位を得る。レオポルド・ストコフスキー指揮のアメリカ交響楽団, ニューヨーク・シティ・オペラ・オーケストラ、フィラデルフィア室内管弦楽団,サン フランシスコ交響楽団の各首席バスーンを歴任。室内楽分野ではマルボーロ音楽祭を はじめニューヨークの数々のグループで活躍した。1978年より20年間にわたり、米国 三大音楽祭の一つアスペン音楽祭の教授/首席奏者をつとめた。管楽器のための室内 楽編曲の分野にも卓抜した才能を示し、その編曲作品はカール・フィッシャー,テォ ドール・プレッサー,(株)杉原書店(Pipers Magazine),音楽之友社から出版され世界 的に高い評価を得ている。1976年帰国。東京都交響楽団、新日本フィルを経て愛知県 立芸大教授(1889−2001)。1994年西洋音楽史上初のコンセプト「現代管楽 器によるJ.S.BACH演奏」を提唱し「東京バッハバンド(TBB)」を創立(音楽監督・編 曲・指揮)。ライヴCD第1作「メリークリスマス・オンケル・セバスチャン」(1995 年)は世界的に高い評価を受けた。1999年、(株)杉原書店(Pipers Magazine)からピアノと木管五重奏のための"ニッポンの歌、心の歌"全20曲(PWQシリーズ)の楽譜とCD、 新編成室内楽「ピアノとバッハバンド・カルテット(Piano+Tp,A-Sax,Euph&Tuba)の ためのPBBQシリーズ」全22曲を出版した。
Chris Gekker
(Tp)
ワシントンDC生まれ。オケ、ソロ、室内楽の各分野で、またクラシック、ジャズ、現代曲のジャンルを問わぬ 活動と音楽性溢れる演奏で有名。イーストマン音楽学校卒。 アメリカン・ブラス・クインテット、セイントルークス管首席、アスペン音楽祭ファカルティ・メンバーほかを経て1998年からメリーランド大学教授。ジュリアード 音楽院、コロンビア大学でも教鞭をとる。「中川良平の東京バッハバンド」には1996 年以来毎回参加。
Bil Jackson
(Cl & Sax)
ミズーリ州生まれ。オケ、ソロ、室内楽の各分野で、またクラシック、ジャズ、現代曲を問わない多彩 な活動で知られる。ノースウエスタン大学でロバート・マルセラスに師事。ミネソタ、シンシナティ、ピッツバーグ交響楽団を経て現在コロラド交響楽 団首席。米国三大音楽祭の一つ「アスペン音楽祭」では20年間にわたって首席/教授 を務めている。10代の頃は天才的ジャズ・サックス奏者として知られた。97年以後毎 回「バッハバンド」に参加。
Floyd Cooley
(Tuba)
アイオワ州生まれ。1967年史上最年少のチューバ奏者としてサンフランシスコ交響楽団に入団して以来その地位 にある。1992,93年にはシカゴ交響楽団にも在籍。 インディアナ大学時代にアメリカ・チューバ界の「父」故ウイリアム・ベルとシカゴ交 響楽団の重鎮故アーノルド・ジェイコブスに師事。1976年にアメリカ全土のリサイタ ル・ツァーを成功させ、ソリストとしての地位を確立した。「バッハバンド」には 1996年以来毎回参加。




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